第91章 キスに夢中になった

安藤美咲は、彼のぬくもりを感じていた。

こんな凍える夜に、あたたかくてたくましい腕に包まれると、心までじんわりあたたまっていく。

彼女は拒まなかった。

娘を抱いた高橋裕也に肩を抱かれたまま、病室をあとにする。

傍から見れば、まるで本当の家族のようだった。

運転手は、二人が階下へ下りる前に彼から連絡を受けていたらしい。

車はすでに病院の出口に停まっていて、現れた三人の姿を見つけると、すぐに降りて後部座席のドアを開けた。

高橋裕也は子供を抱いたまま車に乗り込み、安藤美咲も反対側から乗り込む前に、運転手へひと言かける。

「中島さん、お疲れさまです」

こんな時間まで待っていてくれた...

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