第97章 偏護

そう言い終えると、彼女はまた涙をぬぐい始めた。目の奥には、どろりと濃い憎しみが沈んでいる。

 あの子ったら、よくも自分をブスだなんて言えたものだ。髪を引っぱるくらいで済ませたのは、むしろ手加減したほうだろう。けれど、まさか安藤美咲が反撃してくるなんて、夢にも思わなかった。

 完全に損をした気分だった。今日は絶対に、痛い目を見せてやらないと気が済まない。

 高橋裕也は冷たく鼻で笑うと、壁のディスプレイを起動し、スマホで執務室内の映像を呼び出した。

 安藤花子は、はっとして唇を半開きにした。自分の細かな動きまですべて拡大され、誰の目にもはっきり見える形で映し出されていたからだ。

 どち...

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