第18章

藤田軍はバイオレットカラオケのオーナーだった。

彼は地面に膝をついたまま、少し首をひねって加藤龍平をちらりと見た。その目から後悔の色や恐怖を読み取りたかった。

しかし藤田軍は失望した。

加藤龍平が再び力を込めると、藤田軍は肩甲骨が砕けそうな痛みを感じた。

「いたたた、兄弟、話し合おうぜ。俺が誰か知ってるなら、俺がどんな人間か分かるだろ」

加藤大輔はバイオレットカラオケのオーナーだと聞いて、背筋が凍りついた。

彼は同僚たちとバイオレットカラオケに行ったことがあり、そのオーナーが海浜市で裏表両方に顔が利く人物だと聞いていた。そうでなければ、あんな商売はできないはずだ。

大輔が龍平を...

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