第22章

加藤大輔は白井清美の車が塞がれているのを見て、すぐに赤木玉里と加藤龍平に言った。「先に車に乗っていてくれ。俺が見てくる」

彼は臆病で、事を荒立てる勇気はなかったが、白井清美は高橋義信の妻だ。彼女に何かあれば、加藤大輔は見過ごすわけにはいかない。

それに真昼間の商店街だ。相手が白井清美の車を塞いで動かないなら、道理を説きに行くつもりだった。相手も自分に何かするとは思えなかった。

赤木玉里はそれを見て、車に乗らず、遠くから様子を見ていた。

加藤龍平はドアを開け、赤木玉里が買ってくれた服を車に入れながら、同じく遠くから白井清美を見ていた。

白井清美は車に近づき、窓をノックした。「ねえ、ど...

ログインして続きを読む