110。真夜中過ぎ

アリアンナは王の言葉に身を硬くした。その視線は、首筋に刃を突きつけられ、今にもその命を絶たれそうに震えているセレーネと交わった。

あの反乱分子のリーダーが――ウロボロスだと?

まさか、そんなはずが……。

拳を握りしめる。もしセレーネがこのことを知っていたのなら、ずっと自分を欺いていた彼女を許すことはできないだろう。

「わ、私は、何も存じ上げません、陛下」セレーネはわずかに震える声で息を吐いた。「命にかけて誓います。本当に、何も知らなかったのです」

王が静かに、そして身じろぎもせずにいたため、空気の張り詰めた状態は変わらなかった。

アリアンナは、どうか流血沙汰になりませんようにと、心の...

ログインして続きを読む