カオス・ビヨンド・ザ・レリーム

一歩進むごとに、セレネの心臓は激しく鼓動した。近づけば近づくほど、不安が腹の底で渦を巻く。

なぜだか、この会話がどこへ向かうのか、彼女にはすでにわかっていた。ただ、廊下の突き当たりにある牢獄に繋がれたウロボロスが、そんな馬鹿なことをするとは到底信じられなかったのだ。

ベータ・ルーカスが犯人をその目で見ていなければ、セレネはそれが同族の仕業だとは信じなかっただろう。

大きく威圧的な門が、壁に反響する軋みを立てて開いた。

「セレネ、言ったことを忘れるな。一つ残らず質問するのだ」

王の言葉が頭の中で響いた。

彼女は薄暗い空間へと足を踏み入れた。室内は静まり返っていたが、そこにいる男の存在...

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