129。ちょっと待って、リトルウルフ

第二ラウンドはライラにとって、実に悲惨な状況だった。腕と肋骨を折り、片目は腫れ上がり、負わされた切り傷からは血が流れていた。

そして……。

彼女はまだ、三度目の攻撃を当てられていなかった。

戦士長は今や本気で彼女を相手にしており、一切の隙も好機も与えない。機会があるごとに殴りつけ、ライラにできるのは、急所を必死に守ることだけだった。

突破口はなく、体力も尽きかけている。

「ライラ……」アリアンナは息を呑み、拳を固く握りしめた。

『ねえアリア、お願いがあるの――私がどんなに傷ついても、絶対に手を出さないで。これは私が選んだことなんだから、覚えてるでしょ?』

ライラの言葉を思い出し、...

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