第4章
佐藤勇の死体が発見された時、私は台所で佐藤友明の朝食を準備していた。
姑の惠子の甲高い悲鳴が、錆びたナイフでガラスを引っ掻くかのように、早朝の静寂を切り裂いた。
私は手にしていた包丁を置き、ゆっくりと浴室へ向かった。
佐藤勇の死体は四散し、野生動物にその大半を食い荒らされていた。
下半身は跡形もなく、頭部は半分しか残っておらず、眼球は飛び出し、その表情には極度の恐怖が張り付いていた。
ただ、私が彼のために縫った伝統的な和服の上着だけが、無傷のまま残されていた。
「父さん……どうして……」
佐藤友明は死体の前に跪き、震える声で呟いた。
「違う、陰陽師は生年月日の順...
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