第百六章

「大丈夫か? 完全に治ったのか? 血を分けてやれる、その方がいい」ようやく私たちが離れると、リードが矢継ぎ早に言った。

私は首を横に振った。

「大丈夫よ」と微笑んで答える。「あなたたちに会いたかった」

二人に挟まれるのは夢のようで、番になった者たちがなぜいつも一緒にいる道を選ぶのか、その理由が分かった気がした。

それなのに私は、月の女神様をイライラさせている。ローラが文字通り、一時的に子供を産めないようにしてくれたのだ。だから私は、王冠を戴いてさっさとヴァンパイアの赤ちゃんを産む代わりに、この重荷を肩に背負って世界中を駆けずり回っている。

「本当に会いたかった。それに、何かがひどくお...

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