第百十六章

最初、この思いつきで始めたゲームを後悔しかけていた。けれど、ルシアンがキッチンの方から満面の笑みを浮かべて部屋に駆け込んできたとき、喉から込み上げてくる笑いを抑えることができなかった。彼らもつられて笑い出し、部屋の緊張が和らいでいく。

「優しい兄貴として、この瞬間は弟に譲ってやるよ」ルシアンが言うと、リードはもうそばで拗ねていた。

「まあ、なんて優しいの」私はそう返すと、彼の顔を掴んでキスをした。

それが間違いだった。ほんの数秒の感謝のつもりが、本格的なディープキスへと発展してしまったのだ。彼の舌が喉の奥まで侵入し、指が官能的な地図を描くように私の全身をなぞっていく。

不意に三本目の手...

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