第百二十八章 (二)

ヴァイオレット視点

翌週末の訓練は、あらゆる意味で気まずかった。

普段は私の存在など無視している女の子たちが軽蔑の眼差しを向けてくるかと思えば、年上で番(つがい)のいる女性たちの何人かは私に微笑みかけ、手を振ってくる。

この二日間、水曜日の出来事はただの偶然で、王太子殿下が私の狼に匂い付けしようとしたわけじゃないんだって自分に言い聞かせてきた。でも、向けられるかすかな頷きや指差しの一つ一つが、私の決意を揺るがし始めていた。

「あら、誰かと思えば」私が彼女の方へ歩いていくと、オーレリーがにやりと笑った。「まだ戴冠もしてないのに、もう訓練に遅刻? 女王様らしくない振る舞いですよ、陛下」彼女は冗談...

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