第百五十八章

温かく柔らかな彼女の唇。それを己の口で塞ぐ感覚が、俺の中に生命力を満たしていく。

キスは、彼女の心配を少しでも和らげるための、ほんの些細な行為のはずだった。だが俺は制御不能に陥り、彼女を喰らい尽くしたいという強烈な欲求に圧倒されていた。

唸り声を上げ、俺は掛け布団を床に投げ捨てると、さらに深く、彼女の唇と舌を貪った。彼女の香りが俺を包み込む。

そのとき、彼女が漏らした喘ぎ声が、俺の根源的な衝動を野獣へと変えた。

唇が火花を散らすようにぶつかり合ううち、彼女の体は俺にぴったりと密着し、全身に熱が駆け巡る。

一度、彼女が息をできるようにと身を引いたが、すぐに彼女にもうその必要はないのだと...

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