第百六十五章

心の底から恐怖を感じ、私はパニックに陥ってバスタブから飛び出した。

この城は地下にあり、侵入は日を追うごとに困難になっていた。ここには狼人間、吸血鬼、そして魔女の戦士たちがいるのだ。そのすべてを潜り抜けてこられた者がいるとすれば、よほど隠蔽魔法に長けているか、あるいはとてつもなく強いかのどちらかに違いない。

発情期の激しさで意識が遠のきそうになるのをまだ感じていたが、また誘拐されるわけにはいかない。前回の一件から、まだろくに回復してもいないのだ。

バスローブを羽織ってドアに向かうと、エレベーターの方からすでに嗅ぎ慣れない匂いが漂ってきていた。

「ドアは閉めたか?」リードが絆を通して叫ん...

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