第百七十三章

調合液が煮えていくのを見守っていると、腹の底から期待感がこみ上げてきた。ナナが大釜を弱火にかけ、五秒ごとに反時計回りにかき混ぜ続けるよう、私に指示したのだ。

その指示はあまりに厳密だったので、私はタイマーを使い、間違いのないよう全神経を集中させた。その間、ナナは煮汁に霊力を注ぎ込むための塩の魔法円を準備していた。

ナナは倉庫から樽を二つ持ってきて私の隣に置くと、また円に塩を注ぐ作業に戻った。

その間にも、城のあちこちから様々な音が聞こえてきた。地下牢のあたりからは悲鳴、玉座の間のあたりからは戦いのうめき声、そして覇権を争う人狼たちの唸り声も聞こえる。

小耳に挟んだ噂によれば、カールソン...

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