第百七十四章

目が覚めると、そこは見知らぬ場所だった。しばらくして、ここがリードとルシアンが所有するジェット機の中だと気づく。黒を基調とした内装は、二人が王になる前に使っていた最初の部屋を彷彿とさせた。

頭の後ろでエンジンが静かに唸る音がどうにも気に障り、私はまぶたをこすった。

ベッドから起き上がって伸びをすると、一年か、それ以上眠っていたような感覚に襲われた。でも、ほんの数日だけで、大して何も見逃していなければいいのだけれど。

その考えがきっかけとなり、最後に意識があった時の出来事が脳裏に蘇った。

儀式が成功したか確かめなければ。私はドアに駆け寄った。もし失敗していたら、マーティンに正確な居...

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