第百七十九章

ぎゅっと締め付けられるような背筋を、悪寒が駆け上がった。美しく装飾された階段を上り、大広間へと足を踏み入れると、食べ物と血、そして清潔な人々の甘い香りが私の鼻孔をくすぐった。人々はこの日のために、並々ならぬ準備をしたのだろう。

「今は厳粛な時期だけれど、一晩だけでも皆が悩み事を忘れられる理由を与えてあげたいの」ローラが言葉を添えた。「彼らが私たちのことをどう思っていようと関係ないわ。彼らにはこれが必要だったのよ」

私の両腕はメイトたちに支えられていた。それはまるで結婚式の行列のようで、ただ違うのは、彼らが私を祭壇へと導いていること。そして、その光景がとんでもなく様になっていたことだ。

王家の...

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