第百九十章

リード視点

俺たちが移動に使うトラックへ歩きながら、後悔の念がこみ上げてきた。もうしばらく、この感情は俺の一部になっている。無理強いされることなく、心から俺を愛してくれた唯一の人間――彼女に投げかけた言葉を頭の中で反芻しては、ただ傷つけ続けている自分に気づくだけだ。

俺は彼女にふさわしくない。それでも、俺のいない世界で彼女を生かすことなど想像もできなかった。

だから、彼女が死地に赴くことなど断じて許されない。ヴラドの企みも、あいつが常に作り出しているウイルスのことも重々承知している。俺たちを殺せるほど致死性の高いウイルスを発見していたら、どうなる?

「さっさとしろ!」俺は門のところ...

ログインして続きを読む