第二百四章

ルシアンは空腹。リードは飢餓状態。そしてあたしは? ボクシングリングのど真ん中で、彼らのためのビュッフェみたいに体を広げていた。

「なあ」リードは膝をつきながら切り出した。「お前の発情期がなくなったら、こういうお前の一面はもう見られなくなるんじゃないかって、ずっと怖かったんだ」

その言葉にあたしは笑ってしまった。昔はこんな風にクレイジーになる自分を、発情期のせいにして隠していた。でも、本当は彼らのせいだって気づいたんだ。彼らが安心させてくれるから、あたしは誰かに判断される恐怖もなく、頭に浮かんだことを何でもできる。

元メイトは、彼らがくれるような安心感を決して与えてはくれなかった。きっと、...

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