チャプター 257

「はぁ……」疲れ果てて、息を吐き出す。「……やっとだ」

「まだどうやって通り抜けるか、わかってないけどね」ケリーが、私たち魔女の目にしか捉えられない結界を眺めながら呟いた。

「わかってる」私は息をつく。「ただ、少しだけ休ませて」そう言って、急いで地面に腰を下ろした。

「あ、ごめん」彼女は息を呑んだ。「そんなに疲れてるなんて気づかなかった。あなたたちヴァンパイアって、いつも……なんていうか、尽きることのない力を持ってるみたいだから」

「まあ、その力も、お腹の子のおかげですっかり使い果たされちゃってるけどね」私はうめき、頭を後ろに反らした。

汗が一本の筋となって背骨を伝い、ジーンズまで達...

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