チャプター 261

痛みを吐き出した地面から身を起こすと、俺は番を抱き上げ、ドアに向かって歩き始めた。

「ニック、何してるの?」俺がふざけて彼女を片方の肩からもう一方の肩へと担ぎ直すと、彼女はくすくす笑いながら尋ねた。

「俺の番を運んでるんだ」彼女の肩にキスをしながら俺は答えた。「何か問題でも?」

「人に見られちゃうわ!」

「なあ、そのために目があるんだ。好きに見させておけばいいじゃないか、ん?」

俺たちが共に過ごすもう一方の棟へと続く渡り廊下を進むと、彼女が俺の肩に顔を埋めるのが分かった。頬が熱くなっているのを感じる。

「何見てやがる!」俺たちをじろじろ見てひそひそ話している女たちに、俺は牙を剥いた...

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