第四十八章

コロラド州アスペンへの旅路は、迅速で静かなものだった。重苦しい、とさえ言えるほどに。

俺は、彼が彼女に近づきすぎるのを拒んだ。飢えが再発するかもしれないという恐怖と、身勝手にも彼に彼女との繋がりを一切持たせたくなかったからだ。

だが、状況がそれを許さなかった。

彼は罪悪感を感じているべきだった。ただその感情だけを、他には何も。

しかし、プライベートジェットで過ごした六時間もの間、彼はひたすら彼女の体に温もりが残っているかを確認し、俺たちが彼女を取り戻すまでこの世に留めておけるよう、その血管に毒が絶えず供給され続けるように努めていた。俺も同じことをしていたが、ある時点からそれは競争のよう...

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