第五十七章

彼が去った後、私はゆっくりと湯船に浸かった。亡き母親の部屋を私にあてがわれたことで、胸の内に不安感が渦巻いていた。

お風呂から上がり、また元の服を着ようとした。けれど、不快に感じるほど長く着続けていたので、その服は洗うことにして、私は裸のままでいることにした。

部屋に落ち着くと、私は彼から渡されたファイルに目を通し始めた。宮殿で使われている何らかの投影装置が放つ人工の光が、部屋を煌々と照らしている。

まず目に飛び込んできたのは、太字で書かれた「USA矯正センター・刑務局」という文字だった。

「何よ、これ?」私たちがその分厚い紙切れに注目すると、ローラが訝しむように言った。

「バーナー...

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