第六十五章

最初こそあった自信は、一分一秒と経つうちに萎んでいった。宮殿全体が慌ただしく動き回る中で、あたしは自分の計画に穴を見つけ始めたのだ。もっとも、よく考えてみれば、それは計画なんてたいそうなものじゃなかった。とにかくここから、一刻も早く抜け出さなきゃいけないと、ただそれだけをわかっていたにすぎない。

狼の感覚を使い、双子がどこにいるのか、そして捕まらずに脱出するにはどうすればいいのかを探った。だが、何かが足りなかった。それがなければ、すべての努力が水の泡になってしまう。

「でも、門からどうやって逃げるつもりなの?」オーマが、あたしがまとめるように言ったバッグのジッパーを閉めながら尋ねた。彼女は...

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