第50章

「店長、どういうこと?」

「クラブが停電? 何の店やってんのよ!」

「情ってもんがないの? 楽しみはこれからってとこで落とすとか!」

「人の幸せ奪う気?」

「店長……」

「店長…………」

フロアの連中が、楽しさの崖っぷちでぎりぎりを攻めていた矢先――まさかの停電。篠は目の前の子犬系の男を見たまま、思わず本音が漏れた。

もう、手が伸びる寸前だったのに……。

「くそっ、マジかよ!」篠が悪態をつく。

薄い非常灯の明かりを頼りに、行広睦子が篠の隣へ手探りで寄ってきた。

「ねえ、あんた、なんか憑いてない? なんでこんなタイミング悪いの。あたしがあんたとクラブ行くと、毎回停電に当たる...

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