第53章

東風彰二は篠にああ言われて、さすがに一瞬、言葉を失った。

ハイヤーの中で「はぁ……」とため息をつく。

悠みたいな湿っぽいくせにやることだけは妙にえげつない男の手口を思い出すと、頭が痛くなる。

「黙ってくんない? 陰気くさいんだけど」

ため息をつくのはこっちだ。男は当てにならない、相続は風前の灯。こっちはここまでツイてないのに。

「いいもん見せてやるよ」

東風彰二がふと思い出したように目を光らせ、篠を見つめる視線が妙にきらきらし始めた。

「なに?」

篠が訝しむ。

「スマホ見ろ」

LINEに通知。篠は開いて――

「うわあああああっ!!!!!」

悠の写真?

え、これ、そん...

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