第5章

スマホが震えた。

私は大輔からの返信を睨みつけた。「君の動機は理解できないが、本気で手伝う気があるなら……明日の午前十時に会おう。星野芸能のカフェで」

心臓が肋骨に激しく打ちつけられる。「はい」、と言った。これで私は、本当にこの自虐的な計画を実行に移すことになる。

涼真を守るためなら、やるしかない。たとえ、それによって私自身の可能性が完全に潰えることになったとしても。

翌朝、私は星野芸能のカフェに座り、指の関節が白くなるほどきつくコーヒーカップを握りしめていた。大輔が席を立ってから十分。彼の指示に従い、私は薫に「業務会議」の招待を送った。

今、私は彼女を待っている。

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