第6章

翌朝、私の目はパンパンに腫れ上がっていた。一睡もできず、頭の中では涼真の言葉が繰り返されていた。『このシナリオは全部カットだ』

スマホには不在着信が四十七件も入っていた。そのほとんどが涼真からで、いくつかは真矢からだった。私はそのすべてを無視した。

でも、いつまでも隠れているわけにはいかない。涼真が私たちの関係を終わらせたいのなら、せめて最後に一つだけ、やり遂げなければならないことがあった。薫がこれ以上、彼を傷つけないようにすることだ。

無理やり身支度を整え、スタジオへと車を走らせた。

真矢の仮オフィスのドアを押し開けると、床にはドキュメンタリーの機材が散乱し、カメラのケー...

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