第7章

お見合い計画を中止すると約束したものの、私の心は穏やかではなかった。

海辺の豪邸に戻ってからも、私は見たことのない涼真のあの眼差しについて考え続けていた。彼の演技指導をしていた時、私を見るあの目は……アシスタントに向けるものでも、演技指導者に向けるものでもなかった。

あれは、一体何だったのだろう。

客室で一人、行ったり来たりしながら、今日の午後の出来事を一つ残らず頭の中で再生していた。彼の怒り、彼の苛立ち、そして最後の言葉の響き……。

午後十一時、ドアを控えめにノックする音がした。

「絵梨?」ドアの向こうから、いつもより柔らかな涼真の声が聞こえた。「下に来てくれないか。話...

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