第7章
ゴールデンウィークが明けてから、わたしは三人との関係を同時に進め始めた。
神崎菊司とは、経済学の選択科目で交流を深めた。彼はわたしの席を取っておいてくれるようになり、授業が終わるとわたしを待っていてくれた。
誰もいない旧校舎で、わたしは『大和撫子』のような従順さと、時折見せる大胆さという二つの顔を使い分け、彼を夢中にさせた。
池田悠とは、秋葉原の映画館でデートをした。ホラーシーンで彼の腕にしがみつき、適度に弱い一面を見せることで、この格闘サークルリーダーの庇護欲を掻き立てた。
西野智也とは、英語の個人指導を続けた。ただし今では、彼の親密なスキンシップを受け入れるようにした。...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
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