第8章
LINEのメッセージ、不在着信、インスタのDM。どのSNSも、神崎菊司、池田悠、そして西野智也からの通知で埋め尽くされていた。
適当にいくつか目を通してみるが、内容はどれも焦ったような問いかけや謝罪、それに言い訳ばかりだ。
『葵、電話に出てくれ。あの投稿について説明させてほしい……』
『葵、あれは全部誤解だ。ちゃんと話せないか?』
『先輩、どうか僕に説明する機会をください……』
私はスマホをマナーモードに切り替え、静かに笑みを浮かべた。
ゴールデンウィークがやってくる。キャンパスを離れる前に、私は最後の仕掛けを周到に施し、真実が最も劇的な形で暴露されるように仕組んだのだ。...
ログインして続きを読む
チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章
7. 第7章
8. 第8章
9. 第9章
10. 第10章
縮小
拡大
