第7章
葵視点
パーティーの参加者全員が、この成り行きを見守ろうと足を止めていた。
「陽介」私は落ち着いた声で言った。「拓海と婚約したの。結婚するのよ。だから、私はあなたの未来の義理の姉になる」
彼の顔が真っ白になった。「義理の姉……?」
「ええ」
「いやだ」彼は激しく首を横に振った。「ふざけるな!あなたは怒ってて、俺を傷つけようとしてるだけだ。何かの冗談なんだろ」
「嘘じゃないわ、冗談でもない。あなたを騙すためだけに、ここにいるみんなに嘘をついてもらう必要なんてないでしょ」
「でも……」彼の声がうわずった。「葵、そんなの無茶苦茶だ。婚約するのは俺たちのはずだ。結婚するのも俺たちの...
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チャプター
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2. 第2章
3. 第3章
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