第8章

葵視点

最初の一枚は、警察の調書だった。

高校三年生の時、大学の図書館裏でのこと。

路地裏で私を追い詰めた、あの三人組。結局何もされなかったから、誰にも話さなかった。誰かが彼らを追い払ってくれたのだ。

震える手で、目撃者の証言を読む。『男三人が女性を襲っていた。撃退したが、いくつか打撲を負った。男たちは逃走。女性は無事だったが、怯えている様子だった』

「拓海」私は彼を凝視した。「これ、あなただったの?」

彼は頷いた。

次のページ。二年前の病院の記録。私の心臓の薬が効かなくなって、あのカフェで倒れた日のものだ。

三枚目は、スカイダイビング装備についての書類。事故の...

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