第126章

「絵里、仕事が終わったら迎えに行く」

佐藤悟はそう言い含めるように告げた。

「いいえ、自分だけで帰れますから。わざわざ来ていただく必要はありません」

松本絵里は即座に断った。彼が運転手の森を伴って車で迎えに来るなど、あまりに大仰だと感じていたからだ。ガソリン代と森の給料を合わせれば、自分の安月給など軽く吹き飛んでしまう。

「天気予報によれば、今日は台風が通過するらしい。天候が荒れる。大人しく待っていろ」

佐藤悟はそれだけ言い捨てると、彼女に反論の隙も与えず去っていった。

…………

「みんな、ビッグニュースよ! 今年の忘年会、なんと一ヶ月も前倒しだって!」

オフィスに入るなり、...

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