第151章

唐突に鳴り響いた着信音が、二人の間に落ちていた沈黙を破った。

「すみません、少し電話に出ます」

松本絵里はスマートフォンを手に佐藤裕也へ軽く会釈をすると、通話ボタンを押しながら足早に外へと向かった。

彼女の背中を見送った佐藤裕也は、ようやく安堵の息を吐き、強張っていた肩の力を抜いた。絵里の様子からして深刻な事態ではなさそうだと判断し、そろそろ会場に戻ることにしよう。あまり長く席を外して祖父に気づかれでもしたら、また大目玉を食らってしまう。

「佐藤社長」

切羽詰まった様子で駆け戻ってきた絵里が、息を切らしながら言った。

「後で彼に、私が帰ったと伝えていただけますか」

裕也は慌てた...

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