第65章

佐藤悟が急いで夏川卿の事故現場に駆けつけると、そこには歩道との境界ブロックを乗り越え、歩道上に突っ込んだスポーツカーの姿があった。車の前には、スケートボードを手にした整った顔立ちの少年が立ちはだかり、夏川卿を行かせまいとしている。路肩には、何事かと足を止めた野次馬たちが集まっていた。

佐藤悟の姿を認めるや否や、夏川卿は慌てて運転席から飛び出し、彼の方へ突進した。

「ダーリン! やっと来てくれたのね!」

佐藤悟は片手を突き出し、自分から腕一本分の距離で彼女を制止した。

「事情を話せ。何があった?」

夏川卿がここぞとばかりに捲し立てる。

「私が普通に走ってたら、こいつがいきなり車の前...

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