第161章 突然鈴木家の恩人になる

鈴木晶は知らなかった、田中唯がまさか麻酔に耐性があるとは。

先ほどの縫合の際、彼女が必死に耐えていたのを思い出す。一度も痛みの声を上げなかった彼女を思うと、途端に胸が締め付けられるように痛んだ。

「さっき気づいてたんだろう。どうして早く痛み止めの方法を考えなかったんだ。彼女があんなに苦しんでるのを見てただろうが」

鈴木晶は激昂していた。

中野直也は為す術もなく言った。「そういう体質の人間もいるんだ。麻酔が効きにくい。だからできるだけ怪我をしないように、手術をしないようにするしかない。医者としてもどうしようもないんだ。それに、もっといい方法なんてない。この程度の麻酔も効かないのに、他に...

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