第319章 彼女が好きなのは治せない

原口春斗は慌てて自分の望遠鏡を確認しにいったが、やはりもう架台の上にはなかった。

細谷心晴は笑いながら指摘する。「ずいぶんちゃちな作りなのね。ちょっと分解しただけで壊れちゃった」

「いいんだ。君が楽しければそれで」

ゴミ箱に散らばる望遠鏡の部品を見つめ、原口春斗は苦笑いを浮かべながらも、努めて鷹揚に振る舞った。

細谷心晴はそんな彼の気遣いを意にも介さず、身を翻して立ち去ろうとする。

だが、原口春斗が再び彼女を呼び止めた。「来月には必ず着工する。だからもう催促しないでくれ。鈴木晶にも催促させないでくれ。来月着工すると言ったら、必ず着工する」

「どうして来月まで待たなきゃいけないの?...

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