第346章 彼女ともう遊んではいけない

 細谷心晴の件は、田中唯は本来、鈴木晶に隠しておきたかった。しかし、思いがけず鈴木晶に知られてしまった。

 鈴木晶はひどく腹を立て、不機嫌な顔でソファーに座っている。

「あなたが言ったの?」田中唯は声を潜めて大久保美雪に尋ねた。

 大久保美雪は力いっぱい首を横に振り、同じく声を潜めて答える。

「あたしじゃないわよ。でも、ボディーガードもその場にいたから、彼らが漏らしたのかも」

 田中唯はため息をついた。社長には言わないようにとボディーガードたちに釘を刺しておいたというのに。

 でも、彼らは皆、鈴木晶の人間だ。彼に隠し立てなどできるはずもなく、裏切られてもおかしくはない。

「あな...

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