第389章 帰宅

竹多里恵が駆けつけた時、病室にはもう誰もいなかった。

一条裕也に電話を入れてようやく、二人が監視室にいると知る。

監視室。

部屋は薄暗く、監視モニターの青白い光だけがぼんやりと漂っていた。

桐島征十郎と一条裕也が映像の前に立っている。二人とも険しい顔つきだ。

「藤咲さんの居場所、分かりましたか」

竹多里恵が口を開き、沈黙を断ち切る。

その一言で、張りつめていた空気がようやく動き出した。

一条裕也が苛立たしげに桐島征十郎を睨みつける。

「若林勝則はどこだ。今すぐ探しに行く!」

モニターには、夜明け前の病棟が映っていた。若林勝則が意識のない藤咲花音を抱え、さらにお祖母様を連れ...

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