第397章 彼女はちょうど眠ったところだ

桐島征十郎は数人を外まで送り、病室に戻った。

戻ってみると、藤咲花音がベッドの背に凭れて、静かに彼へ笑いかけていた。

久しぶりだ。

しばらく、ふたりとも何も言わない。ただ互いの顔を見つめ合うだけ。

やがて桐島征十郎が手を伸ばし、彼女の頬にそっと触れた。

「どうだ。まだつらいか?」

藤咲花音は恋しさを隠せないまま、その掌に頬を寄せる。

「うん……だいぶ楽。たぶん、びっくりしただけだと思う」

顔色も確かに少し戻っている。桐島征十郎は胸の奥の重さがわずかにほどけた。

「お祖母さん、あの……」

藤咲花音は言い淀み、どう切り出せばいいのか迷っている。

桐島征十郎は低い声で言った。...

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