第13章

脳裏に先ほどの光景がフラッシュバックし、彼は再び拳を固く握りしめた。

小林海が振り返る。

「山口社長、その手……すぐに先生をお呼びしましょうか? それとも最寄りの病院へ向かわれますか、すぐに手配を」

「かすり傷だ、死にはしない」

山口洸人は冷たく言い放った。

「鬱陶しい、放っておけ」

小林海は言葉を飲み込み、しばらく沈黙した。

だが考えた末、携帯を取り出し山下麻友に電話をかけた。

今の社長は、彼女に会いたがっていると推測したからだ。

電話はすぐに繋がった。

山下麻友は誰に対しても礼儀正しい。

「小林さん、何か用ですか?」

その声はあくまで淡々としていた。

小林海はバ...

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