第148章

山下麻友は化粧室に入った。運よく、中には先客の女の子が一人いた。

「すみません、ちょっとお願いがあるの」

女の子は手を洗っていたが、鏡越しに彼女を一瞥した。

「何?」

「警察を呼んでほしいの」

麻友の言葉が終わるか終わらないかのうちに、化粧室のドアが外から乱暴に押し開けられた。

入り口に立っていたのは、山口洸人だった。

彼は温度のない視線で、彼女を見下ろしている。

「ここで違法取引をしてると、世間に言いふらすつもりか?」

人身売買は、明白な犯罪だ。

麻友は冷ややかに言い返した。

「あなたも同罪でしょ」

その時、千原も姿を現した。へらへらとした笑みを浮かべ、二人を交互に...

ログインして続きを読む