第154章

陽射しは眩しく、大通りの車の往来も激しい。それなのに、病院の前だけはどこか息苦しいような空気が澱んでいた。

その問いかけの後、場は静まり返った。

橋本美波は思わず山口洸人の顔を盗み見たが、彼はいつもの鉄面皮を崩さず、その心中を窺い知ることは不可能だった。

山口洸人は、じっとその人物を見据えている。

相手は洸人の視線に射抜かれ、理由なき重圧を感じていた。まるで不祥事を起こして社長に睨まれた社員のような、いつクビを宣告されるかわからない根源的な恐怖だ。

やがて、山口洸人が重く口を開いた。

「君は、記者か」

相手は一瞬怯んだが、すぐに開き直ったように認めた。

「はい、記者です」

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