第164章

「俺のことをクソ野郎だと言ったよな? なら、本物のクソ野郎がどんなものか見せてやろう」

ベッドの傍らに立つ山口洸人は、冷ややかに彼女を見下ろしていた。

両手をネクタイで縛られた山下麻友は、警戒心をむき出しにして彼を睨みつける。

「そんなこと、するはずないわ」

「なぜそう言い切れる?」

「あなたにはできない」

山下麻友は山口洸人をよく知っている。大学時代からの付き合いだ。結婚後に彼の心が離れてしまったとはいえ、彼が彼女を実質的に傷つけるような真似をしたことはない。

たとえば、彼女を無理やり抱くようなこと。

彼には彼なりのプライドがあるのだ。

「本当に俺を信じているのか?」

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