第20章

山下麻友が去った後も、山口麗子の顔色は土気色のままだった。

これほどの屈辱は、彼女の人生で初めてのことだ。

それも、日頃から最も親しく、家柄や体面を何よりも重んじる友人二人の前で恥をかかされたのだから。

「麗子さん、落ち着いて、落ち着いて!」

シャネルのスーツに身を包んだ村上が、慌てて彼女の腕を支えた。

「あんな育ちの悪い女のために体を壊すなんて、馬鹿げてるわ!」

もう一人の友人、和田も同調して顔を寄せる。

「そうよ。あんな貧乏くさい女、どこが洸人さんに釣り合うっていうの」

村上はさらに言葉を継ぎ、場の空気を変えようと声を弾ませた。

「やっぱり橋本美波さんの方がいいわよ! ...

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