第26章

彼はベッドの縁に腰を下ろし、片手で水の入ったコップを持ちながら、もう片方の手で慎重に錠剤をつまみ、彼女の口元へ運ぼうとしていた。

「口を開けろ」

彼は命令した。その口調は少々手荒だった。

山下麻友が反応する間もなく、薬は強引に口の中へと押し込まれた。瞬く間に、苦い味が口いっぱいに広がる。

「まったく、いいご身分だな。腹が減って気絶するとは。おかげで俺が世話をする羽目になった」

山口洸人は鼻で笑い、立ち上がって部屋を出て行こうとした。

山下麻友は胸が詰まるような屈辱を感じた。誰が世話をしてくれと頼んだというのか。土下座して頼んだ覚えもない。

そう言い返そうとしたが、喉が枯れていて...

ログインして続きを読む