第77章

山下麻友は口を閉ざしたままだった。

山口洸人が何を問いかけても、彼女は一切の反応を返さない。

山口洸人は眉をひそめ、彼女を見下ろした。

「山下麻友。俺は今、お前に話しかけているんだぞ」

それでも彼女は無視を決め込んでいる。

まるで彼という人間がそこに存在しないかのように。

自分が透明人間になったかのような、最悪な気分だ。

山口洸人は冷ややかに彼女を見つめると、強引に麻友の後頭部を掴み、無理やり顔を上げさせた。その凪いだ湖面のような瞳と視線を合わせさせる。

そして、容赦なく唇を押し付けた。

麻友がわずかに目を見開く。洸人は冷笑した。ようやく反応があった。

彼は彼女の唇をこじ...

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