第96章

「祖母さんに言われて来たんだ」

山口洸人は冷ややかな表情で、ここに来たこと自体が不服だと言わんばかりだった。

山下麻友は水をコップに注ぎ、一口飲んでから、振り返りもせずに言った。

「お祖母様に言われたからって、口先だけで承諾しておけばいいのに。わざわざ来る必要なんてないわ」

「それより、どうやって入ったの?」

山口洸人はその質問には答えず、ただ立ち上がると、彼女の手からコップを取り上げ、手を伸ばして山下麻友の額に触れた。

次の瞬間、彼は彼女を横抱きにした。

山下麻友は息を呑んだ。

「何するのよ?」

山口洸人は答えない。彼女がその無表情な顔を見上げ、身をよじって降りようとする...

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