第7章
「本当ですか?」鈴木先生は嬉しそうに驚いて尋ねた。「それは素晴らしい! ですが、これには体系的な学習と訓練が必要です。時間はありますか?」
心美の脅迫と、終わりのない作曲作業のことを思った。「私……時間はかなり限られています。夜間か週末にお願いすることはできますか?」
「もちろんです。まずは理論の学習から始めて、徐々に実践に移っていきましょう」
その時、廊下からハイヒールの音が聞こえた。心美が帰ってきたんだ!
「切らないと」私は慌てて言った。「今夜八時にかけ直します」
「わかりました。鳴瀬さん、覚えておきなさい。本物の音楽には、人を癒す力があるんですよ」
電話を切った瞬間、...
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