第19章

彼女の言葉が口をついた瞬間、宮原宏昭と浅野晴子の表情がぴたりと凍りついた。

夏目南はゆっくりと口を開く。

「それに――私、周防律とはもうすぐ離婚するの。だから宮原石矢の件は、私にはどうにもできない」

「は……?」

「何ですって?」

宮原宏昭と浅野晴子が、ほとんど同時に声を上げた。

「離婚だと? 誰がそんなことを許した」

宮原宏昭は勢いよくソファから立ち上がり、目をむいた。

夏目南はひどく淡々と、その視線を受け止める。

「3年経ったから。私も約束したことはちゃんと果たしたし、その間にあなたたちが周防家から得たものも、十分すぎるほどあるでしょ」

宮原宏昭は信じられないものを見...

ログインして続きを読む